22Jan

一月に入ってからの、少しプライベートなお話も書いてみようと思います。
先日、
ナビゲーターと語りを 高橋克典 さん、
指揮は 坂入健司郎 さん、
演奏は 日本フィルハーモニー交響楽団、
そしてバイオリンは 髙木凜々子 さん、
という構成の「にじクラ」をサントリーホールで鑑賞してきました。
クラシック鑑賞は以前からの趣味のひとつで、なかでもバイオリンの音色がとても好きです。YouTubeで知ってから、髙木さんのバイオリンをライブで聴かせていただくのは今回で二度目になります。
今回の演奏は、 サラサーテ《カルメン幻想曲 op.25》、 ラヴェル《演奏会用狂詩曲「ツィガーヌ」》 というプログラムでした。
私は音楽について詳しいわけではありませんが、今回の演奏は聴きながら、「体全体で音色を受け取っている」時間だったように感じました。 低音域が響く場面では、音が身体の内側にゆっくりと染み込んでくるようで、まるで音浴をしているかのような感覚。頭から指先まで、細胞の一つひとつが静かに共鳴し、自然と呼吸が整っていきます。
一方、高音域に入ると、意識がすっと静まり、頭の中の雑念が薄れていく。考えることを手放し、ただ音に身を委ねている状態は、瞑想をしている時の感覚にとても近かったように思います。
演奏が終わったあとに残ったのは、「すごかった!」という感動と、「脳内が整った」「心身が満たされた」という体感でした。音楽に詳しくなくても、理屈が分からなくても、どこまでも心と体に響く。そんな時間でした。
譜面を見ず、まるでバイオリンへ生命が吹き込まれ、音色が生き物のように観客に語りかけてくる。 そんなふうに感じたのですが……伝わるでしょうか。よく映画を観て感動し、涙が出ることはありますが、 音楽を聴いて、身体の細胞が反応して自然と涙が溢れそうになる体験は、私にとって少し新鮮でした。
ナビゲーターの高橋克典さんによる語りも印象的でした。 髙木さんや指揮者の坂入さんへのインタビューでは笑いもあり、そして「カルメン」の曲と曲の間に挟まれる語りが、演奏への理解と没入感をより深めてくれます。
もう5年ほどのお付き合いになる芸能関係の友人がいるのですが、その方が以前、「高橋さんって本当にいい人なんですよ」と話していたことを思い出しました。 その友人に高橋さん主演のミュージカルに以前招待していただいたことがあり、後に友人と食事をご一緒した際にも繰り返し言っていたので、私は直接お会いしたことはないものの、勝手ながら高橋さんって本当に良い人なんだろうなあという印象を持っています。そんな背景もあり、「にじクラ」の鑑賞は今回で二度目でした。次回5月が記念すべき10回目とのこと。本当におめでとうございます。
また、指揮者の坂入さんは慶應義塾大学経済学部出身とのこと。 「なぜ経済学部から指揮者の道へ?」とレジメを見ながら気になり、帰宅後についつい調べてしまいました。 サントリーのアーティスト・インタビューの記事まで読んでしまうあたり、キャリアの専門家という職業病かもしれません(笑)。
休憩を挟んで後半の演奏曲は「カルメン」。
ジョルジュ・ビゼー:『カルメン』第1・第2組曲より
(高橋克典さんによる語りつき)
闘牛士/衛兵の交代/ハバネラ/セギディーリャ/アルカラの竜騎兵
闘牛士の歌/間奏曲/密輸入者の行進/アラゴネーズ/前奏曲
演奏が始まってすぐ、いきなり「闘牛士」の盛り上がりに一気に心を掴まれます。 「あーそうそう、カルメンってこれだよね。」と興奮状態。会場全体にエネルギーが一気に放たれ、空気が瞬時に切り替わるのが分かります。音の厚み、リズム、全体の一体感。一流のアーティストの皆さんに「完璧」という言葉を軽々しく使うのはためらわれますが、それでもそう言いたくなるほどの演奏でした。
曲が進むにつれて、スペインの街並みや人々の熱気、カルメンという女性の強さや自由さが、自然と情景として浮かび上がってきます。音楽を聴いているはずなのに、まるで舞台を観ているような感覚。正直、これまでカルメンのオペラや物語を深く知らなかったのですが、「この物語をこんどちゃんと知りたいなあ」と思えたことも、大きな収穫でした。
演奏が終わった瞬間、会場から自然に湧き上がる拍手。「ブラボー!」と実際に叫ぶ勇気はないのですが、そう叫んでいる人の気持ちが初めて心から理解できた気がしました。
日本フィルハーモニー交響楽団の演奏も本当にすごかった。 オーケストラはこれまでも何度も聴いているはずなのに、今回は特に「音楽が語ってくる」感覚が強くありました。
ひとつひとつの楽器の主張と、全体の見事な調和、音が重なれば重なるほど物語の輪郭がくっきりしてくる。そこに高橋克典さんの語りと指揮者の坂入さんのリードが加わることで、音楽と物語が自然につながり、ただ聴くだけではない“体験するクラシック”になっていたように感じます。昨日の今日なので、少し熱く語りすぎたかもしれませんが・・・
《カルメン》というオペラや音楽が長く愛され続けている理由を、頭ではなく心身で少し理解できた時間でした。
今回は私一人で鑑賞してきたのですが・・・もうね、この感動を独り占めしてしまって本当申し訳ないという気持ちです。
あと、最近そう思える感動した機会がもう一つある経験をしたので、その経験は次回の記事でお伝えしますね。それにしてもアートはいいですね。皆さんも、アートデート、お勧めしますよ。
そう言えばIBJでも成婚カップルを音楽鑑賞に招待していますよね。
これからも続けるのかわからないのですが、とっても素敵な企画だと思います。




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